「ふれあい天文学」は、国立天文台の天文学者が全国各地の小中学校で授業を行う取り組みです。教授、准教授、助教、研究技師、名誉教授……。多彩な講師が学校を訪れ授業をしてくれます。
今年度は例年とは少し形式を変え、「ビデオ通話システムを利用した遠隔授業」を中心に行うということでリスボン補習校にも実施校募集案内が届きました。募集校数を大きく上回る応募があった中、当校が実施校に選ばれました。
担当講師の本間希樹(まれき)先生は、世界中が注目した「ブラックホール撮影成功!」に携わった方で、日本での発表者として登壇し、一躍時の人となりました。 リスボン補習校と本間先生とは個人的なご縁もあり、これを機会に天文学の道に進む生徒が現れればと夢が膨らみます。
まずは、Mitaka(インストール不要の天体観測シミュレートソフト)で太陽系や太陽や土星、銀河系、地球から宇宙の果てまでの宇宙像などを見せてもらいました。
そして、ブラックホールと撮影について学びました。 ブラックホールの周りは光がまっすぐに進まないので、光が周りをぐるぐる回っているものを撮影できました。真ん中に黒い穴が空いたことが重要な発見となったそうです。
撮影された写真はドーナツのようで、黒い穴(ブラックホールの影)の部分がブラックホールがある証拠となりました。 ブラックホールの存在は100前から知られていましたが、1枚の写真により明確な答えが出たということです。
世界初のブラックホール画像がジグソーパズルになりました。 150ピースという少し小さなサイズですが、当然ながら真っ黒のピースがほとんどなので、とても集中力のいるパズルです。
「今回の撮影成功により、100年かけて解こうとしてきたジグソーパズルの最後のピースが埋まった」という深い意味があるそうです。
今後の展開は、 ■天の川の中心 いて座 Aスターの画像化 ■M87のジェットの根元
検出ーEHT & EAVH
■静止画→動画
画像化や動画にしてもらえれば、誰にでも分かりやすいので頑張って欲しいです。
研修者としての苦労やみなさんへのメッセージが、とても印象的でした。
・チームワークにとって大事なことは、皆が同じ夢(目標)を持つこと。 ・コミュニケーション力は大事なので、英語力を身につけておいたほうがよい。意見の相違で喧嘩をすることもあるが、最終的には強い決定に導ける。
・研究(人生)で大事なことは、失敗を前向きにとらえる力。
・情熱を持って行動を起こすことが大事。
「なぜブラックホールを見ることが出来たのか。それはみたいという熱意があったから。好きだから!」
画面共有をしながら説明をしてくれたので低学年にも分かりやすく、とてもよい授業でした。リスボン補習校の生徒たちにとって大変有意義な時間となりました。ありがとうございました。
身近なことだけではなく、社会全体→未来世代→宇宙へと深い関心を持ち視野を広げること、打ち込めるものに出会えることが成功への第一歩なのかもしれません。
とても良い体験でした。日本の偉い先生の講義を受けられるなんて、本当にラッキーです。
こういう企画はこれからも継続して欲しいです。 オンラインの普及により海外に住んでいても、日本の教育を受けられる子供たちは幸せです。 大変興味深い授業でした。ありがとうございました。